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【競馬入門】素人でも実践できるラップ予想〜入門編〜【ラップ情報を馬券に活かす】

どーもこんにちわ!K-BA LIFEの中の人です!

本日は、競馬でよく予想手法として使われるラップ理論について紹介したいと思います。

私の予想は皆様ご存知の通り、コースとラップを分析し、それに適した血統を選ぶというスタイルですので、このラップ分析は予想の根幹となる部分です。奥が深くて、入門編では簡単に競馬における”ラップ”の理解を正しくすること、ラップをどのように予想へ展開するかのきっかけ作りをこの記事でしたいと思います。かなり自論で構成しておりますが、入門編なので簡単な例で説明しております。

こんな感じで入門編記事も手厚く更新していく予定ですので、今後とも宜しくお願い致します。

ちなみにラップを予想の軸にされる方を一般的にラッパーと呼ぶらしいです。これを読んで今日から君もラッパーだ!

ラップとは?

競馬におけるラップとは

さっきからラップ、ラップと連呼して、ラップってなんやねんと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

世の中には、ラップと呼ばれるものが多数ありますよね。

例えば、これ。

例えば、これ。

競馬における”ラップ”とは、そのレースにおける200m区間のタイムのことです。競馬では、〜ハロン〜秒という言葉が飛び交ってますが、この1ハロン当たりの走破時計をラップといいます。スマホのストップウォッチでもラップ機能があると思いますが、陸上競技の練習でも、1000m走の内、100m通過時〜秒、200m通過時〜秒といった風に使用されたり、100m通過時にAさんは〜秒、Bさんは〜秒といった測定のされかたを体育の先生もしていたことを思い出される人も多数いらっしゃると思います。

ラップ測定方法

では、競馬ではどのタイミングで測定するの?

という疑問があると思いますが、レースラップは、1ハロン、2ハロンとその測定地点毎に先頭馬が通過した時計を測定します。

JRAの公式サイトでもこんな感じに紹介されてます。

ここで注意したいのは、このレースラップは、勝ち馬の走破ラップではなく、そのハロン毎に先頭馬が走破した時計であるということです。JRAでは、ラスト3ハロン、つまり上がり3ハロン以外の各馬のラップは非開示ですし、測定もしておりません。

各馬の前半3ハロンさえ開示してくれないのでなんだかなーと思いますが、そこは競馬専門紙はさすがのサービスです。競馬エイトや競馬ブックではしっかりと各馬の前半3ハロンを測定して開示してくれます。この点は非常に重宝しますし、欠かせない情報だと思います。

それでも中間ラップについては、各馬のラップはなく、厳密に個別に全馬のラップを確認する手法は現状ありませんし、データベース化もされておりません。イギリスの競馬では、実は測定されており、開示もされているのですが、日本では、自分達でストップウォッチ片手に測定するしかない、あるいは、競馬専門誌の情報から全体時計-上がり3ハロン-前半3ハロンで大雑把に把握するしかないでしょう。

では、これらラップというデータをどのように予想に使うのか?この点について紹介したいと思います。

ラップ予想の基本

競馬におけるラップの考え方

こんな数字の羅列どうやって使うんだよ!?っていう声がよく聞こえます。なんならラップなんか上がり3ハロンだけ使えばいいんだよって声まで聞こえてきます。

それはそうです。

上がり3ハロン33秒台で駆け抜ける馬の方がカッコよく、強いイメージがあるのでそう見えてしまいます。

しかし、これって予想では損してます。

一般的なイメージとのギャップをつく予想こそ高配当に結びつくので、ラップ予想で、このギャップをつく考え方を紹介します。

ここは核心になるのですが、ラップ予想の根幹を説明します。

コース毎に求められる走破ラップが異なり、その求められるラップで自分の力を最大限発揮できる競走馬が好走します。

は??

上がり3ハロンを速く走れる馬が勝つに決まってるくそ野郎!!

そんな声が聞こえてきますね。そんな声にはこのデータを見ていただければと思います。

最強馬の重賞と新馬戦を比較してラップを考える

日本競馬史上最強馬のディープインパクトを例にとって、”上がり3ハロン”について考えましょう。

ここでは、必ずしも”上がり3ハロンが速いこと=強い”ということではないということを伝えたいと思います。

ディープインパクトの弥生賞上がり3ハロン

新馬戦の上がり3ハロン

同じ2000mですけど、あの日本競馬最強のディープインパクトとデビュー間もない2歳馬、なんなら重賞も制覇してない馬がディープインパクトよりも速い上がり3ハロンで勝利していることがわかります。ディープインパクトが本気で走ってないとか、まだ3歳の完成前のディープインパクトとか色んな見方はありますが、ファクトとして、同じ距離を走った2歳馬よりも上がり3ハロンの時計が遅いです。

また、全体時計が遅すぎる。ディープインパクトの弥生賞は、全体時計では秀逸だ!という方もいらっしゃるかもしれませんので、こんなデータもお渡しします。過去10年の2000mの新馬戦で、ディープインパクトの弥生賞の時計よりも速くて、上がりも速い馬を黄色塗りにしました。

弥生賞時のディープインパクトよりも新馬戦の時点で速い馬が結構いると思いませんか?

注意していただきたいのは、これらの2歳馬の方がディープインパクトよりも強いということを言っているのではありません。

この事実を受け入れた上で、間違いなく言えることは、コースにおいて走破時計が速い、遅い、前半が速い、後半が速い等といったキャラクターが存在し、そのコースの中でも自分の力を最大限に発揮できる競争馬がそのレースで好走します。

ディープインパクトが走ったのは中山競馬場です。中山競馬場の2000mの2018〜2019年のクラス別ラップは下記です。

ディープインパクトの弥生賞の上がり3ハロン34秒1は、3歳オープン級での上がり3ハロン平均(35秒69)、古馬オープン級での上がり3ハロン平均(35秒4)と比較しても速く、1着馬の上がり3ハロン平均(34秒9)と比較しても速いことがわかりますし、秀逸です。

一方で新馬戦であるにも関わらずディープインパクトの弥生賞よりも全体時計も上がり3ハロンも速いのは、東京や京都の2000mであることが多いです。特に、東京競馬場の2000mクラス別平均ラップは、下記です。(2018年〜2019年)

一目見てわかると思いますが、新馬戦の上がり3ハロン平均が既にディープインパクトよりも速いですし、1着馬平均に関して言えばほとんど全ての条件でディープインパクトの上がり3ハロンよりも速いことがわかります。

それでも東京競馬場でディープインパクトに勝った馬は存在しません。(一緒に走ったことがない馬ばかりなので一概には言えませんが・・・)

これって面白くないですか?

人間のトラック競争では、100m走であればトラック条件含めて全てがフラット、直線で統一されており、ボルトのように脚が速い人が普通に走って普通に優勝します。しかし、競馬の世界では番狂わせがおきます。

脚が単純に速いだけでは勝てないからです。

競馬はギャンブルですからボルトのようにダントツの存在がいると成立しないからでしょうが、紛れを作るために色々なコースを準備してます。

例えば、コーナーが多いコース、坂が多いコース、カーブが急なコース、直線が長いコース、短いコース、すぐにコーナーがあるコース、右回り、左回り、ダートスタート…etc

色んな特徴のコースがあるので、競馬という興行が成り立っているといっても過言ではありません。断然のディープインパクトでも直線一気では非常に厳しい1回目の有馬記念では負けてしまいましたし、あの凱旋門賞であわや世界一となり、有馬記念2勝の3冠馬オルフェーヴルでもジャパンカップで負けたりするのですから、脚の速さだけでは勝負できないのが競馬です。

先程の表で見せましたが、新馬戦で過去ディープインパクトの弥生賞よりも全体時計も上がり3ハロンも速い時計で走破したタイセイアプローズ、アドマイヤプリンス、テスタメントが7冠馬になれますか?って言われるとそうでもないのが、速くて当たり前のコースで普通に速く走ったからその数値が出ており、ディープインパクトのように中山競馬場2000mの平均と比較しても秀逸な時計を出せているかというとそうとは言えないので、能力的にずば抜けているとは言えないということです。

一方でディープインパクトは平均よりも上回る上がり3ハロンを記録し、次走の皐月賞では出遅れても皐月賞史上2番目に速い上がり3ハロンで勝利し、最も得意な舞台であるダービーでは言わずと知れたダービーレコードタイ、距離を伸ばした天皇賞・春ではワールドレコードという桁違いのパフォーマンスを発揮し続けました。

もうわかりましたか?

競馬のレースには、それぞれのコース特徴からラップにも特徴が色濃く出る為、そのレースラップを得意とする馬が好走するのです。ディープインパクトが最強と言われる所以は、どんなコースであっても、絶対的な強さで勝ち切るので最強と言われるのであって、普通の馬は、どのようなコースが得意といった偏りが生じます。

その偏りを各馬で分析し、過去(これまでどのようなラップを得意としていたか)と未来(再現性があるか)を繋ぎ予想するのがラップ予想です。

ラップ予想の考え方の基本は、繰り返しになりますが、

コース毎に求められる走破ラップが異なり、その求められるラップで自分の力を最大限発揮できる競走馬が好走します。

この一言に尽きます。

同じ距離でも場所が変わればここまで違うラップ構成

同じ2000mでも中山と東京では全然違い、ディープインパクトでも他場で走る新馬よりも遅かったということを紹介しましたが、もう少し、なぜこのようなことが生じるのかを説明していきたいと思います。

対照的なコースとして有名な中山1200と京都1200をコース形状とラップで比較しましょう。

コース比較

中山1200mはスタートしてからずっと降り、最後に急坂です。この絵は非常にわかりやすいですね。

*コース画像はJRA参照

京都1200mは対称的にスタートしてから3コーナー頂上まで上り坂でm3〜4コーナーで下り坂となり最後の直線は平坦。

*コース画像はJRA参照

この絵を見るだけでどのようなラップになるか想像つきませんか?

中山は前半が下り坂の影響で速くなって、後半が急坂の影響で遅くなる。

京都は前半が上り坂の影響で遅くなって、3コーナー以降が下り坂と平坦直線の影響で速くなる。

これを定性的にではなく、定量的にみてみましょう。

クラス別ラップ比較

ここ1年の中山競馬1200mのクラス別ラップが下記です。

京都競馬1200mのクラス別ラップが下記です。

比較して頂ければ非常にわかりやすいですが、前半3ハロンの比較で、中山の古馬前半平均3ハロンが33秒62に比較して、京都の古馬前半平均3ハロンが34秒54と1秒近く中山1200の方が速く、後半3ハロンは京都1200mの方が0.4秒速いことがわかります。

つまり、中山競馬1200m戦では、スタートしてから下り坂で速くなるスピードを直線の急坂でも持続させる能力が長けている馬が好走し、京都競馬1200m戦では、スタートしてからの上り坂で緩み、3コーナー頂上残り800mから始まる下り坂の800mロングスパート戦を得意とする馬が好走することがわかります。

このようにコース毎に特徴が異なり、走破ラップが変わるので、必要なラップ適性も異なります。

これらのラップに適性のある馬を選ぶことがラップ予想の始まりとなります。

各馬の能力と適性について

ここまでお話ししましたが、再度繰り返しますとラップ予想とは、コース毎に求められる走破ラップが異なり、その求められるラップで自分の力を最大限発揮できる競走馬を探す予想方法です。

まだ納得頂けない方がいっぱいいると思います。やっぱり着差が大きくて、豪快な勝ち方をしてる馬が強いんだ!という印象派が。

そういう方はまず、その馬が豪快に勝てた理由をしっかりと分析しましょう。

話を戻して、各馬には、能力と適性があります。

能力は、お風呂の大きさで、適性はお風呂を満タンにする為の蛇口とイメージをして頂ければと思います。

各馬はそもそもの能力を持っており、名馬になればなるほどそのお風呂の大きさが異なります。ディープインパクトについては、銭湯のお風呂くらい大きな浴槽ですね。

その浴槽をMAXにできる蛇口の口の大きさや蛇口の捻り方が適性に該当します。

名馬級になるとMAXの能力を出さずにでも勝ててしまうことがあるのは、そもそもの能力の差です。蛇口が小さくても結局入る量は器の大きさで最後は勝ててしまうというのが名馬です。ディープインパクトはどのような条件であっても器の大きさが桁違いであり、また蛇口の口の大きさも大きいので能力を出してしまえるので簡単に勝ててしまいます。

競馬で思いもよらない大波乱が起きるのはこの能力を出し切れるのか、出しきれないのかが全てです。

各競争馬はバスタブを持っておりますが、水を一杯にする蛇口の捻り方や口の大きさ(一瞬で水を出し切れる蛇口を持っているのかチマチマとしか水を出せない蛇口を持っているのか等考え方は多様です)によって能力を出し切れるかどうかが変わります。

最初から蛇口をフルスロットで水が溢れないように走りきるのが中山1200mで必要な適正であり、最初はゆっくりでも、徐々に蛇口から出る水の量が増え続け、最後の最後まで水を入れ続け、最後に満タンになるのが京都1200mで必要な適正でしょう。

この競争馬の能力や適性を別の言い方で、自転車のギアで例える方もよくいますが、自転車の1速はすぐにスピードを頂点にするのが得意ですが、トップスピードの上限が低い一方で、6速はものすごく重いので加速までに時間がかかるが一度加速するとトップスピードは桁違いといったように持つギアが違うという言い方もできます。

少しわかりにくくなってしまったかもしれませんが(笑)、このように各競争馬には能力とその適正があると思って頂ければと思います。

コース形状やクラス、出走馬で、どのようなラップになるかを分析し、そのラップに適性ある馬を選び出すプロセスがラップ予想です。

ラップ予想の実践

それでは少しだけ実践しましょう。入門編なので、わかりやすいレースラップのレースを選定してわかりやすい基本的なラップ予想を紹介したいと思います。題材は過去10年でほとんど傾向が同じレースであるオーシャンステークス にしました。

このレースは、過去10年で下記のようなレースラップになっております。中山競馬1200mで開催されるので、スタートしてから4コーナーまで下り坂で、最後の直線に坂があることを意識してみてみましょう。

前半3ハロンが速くなり、上がりはかかるレースであることがわかりますが、整理すると求められるラップ適正は、下記であることがわかります。

・前半3ハロンが後半3ハロンよりも1秒以上速いレースへの適性

・急坂要因で上がりのかかるレースへの適性

それでは、オーシャンステークス の勝ち馬のラップ特性を見ていきましょう。全てみていくと時間がかかるので直近2019年勝ち馬のモズスーパーフレアとこのレース好走多数のナックビーナスをみていきます。まずはモズスーパーフレアの過去の戦績とレースラップは下記です。

注目したいのは、京都で開催されたレースで前半が緩んだファンタジーS、紅梅Sや函館の函館日刊Sで大敗していることがわかります。

モズスーパーフレアの好走条件として、前半3ハロンが32秒台で流れた時に3戦3勝という凄まじい再現性がありました。中山1200mで開催されるオーシャンステークス は、平均的にも33秒前半は軽く記録するような前傾ラップであり、モズスーパーフレアがレースを作れば得意のペースにできることは容易に想像できるレースといっても過言ではないでしょう。

また、このレースで3年連続で2着のナックビーナスについても考察してみましょう。

注目したいのは、京都で開催されたオパールS(前半34秒3)京都牝馬S(前半35秒8)、シルクロードS(前半34秒0)と緩んだレースは敗退しているのにも関わらず、ペースが33秒前半付近のレースについてはG2/3レベルであれば好走を繰り返しております。モズスーパーフレアが出走し、中山1200mであれば前傾ラップかつ極めて速いペースになることが想定されるのでナックビーナスを2番手という予想は全くもって論理的だと考えます。

上記は簡単に解説しておりますが、これから予想するレースのコースがどのようなコースかを把握し、レースラップを想定し、各馬の好走ラップを再現性あるレベルで分析し、本命馬を見つけるプロセスがラップ予想の第一歩です。

一貫してお伝えたいことは、コース毎に求められる走破ラップが異なり、その求められるラップで自分の力を最大限発揮できる競走馬が好走するということを念頭に置いて予想することがラップ予想の入り口であるということです。

上がりの速い競馬や上がりのかかる競馬になりやすいコースが存在し、そのコースに応じて生まれるであろうラップに適正のある馬を見つけることがラップ理論だということが少しでもわかって頂ければこの入門編の役目を果たしたと考えております。

各個別の馬のラップ適正を見極める方法やもっと奥深いレース映像からラップの質についての分析については次の発展編にて紹介予定です。

入門編は以上になります。最後までありがとうございました!