【外厩入門】ノーザンファームしがらき・天栄【外厩を制すものが競馬を制す】
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最近よくノーザンファームしがらき、天栄、外厩という言葉を聞きませんか??
現代競馬で社台グループ(吉田一族)の運動会だと言われているのが、積極的な海外繁殖牝馬や種牡馬の輸入と思われる方が多いかもしれません。確かに、ノーザンテースト、サンデーサイレンス、ラムタラ等有名な海外の馬を持ってきて日本競馬の血統レベルを世界水準にした原点は、社台パワーなのですが、それ以外にも積極的な投資を行なっております。
それは、育成・調教面での設備投資です。
圧倒的な資金力により、大掛かりな設備投資を行なっているのが社台グループの中でもビジネスが上手なノーザンファームです。
ノーザンファームは、観光地でも競馬以外の観光収入を得ますし、グッズ販売も積極的ですし、種牡馬のシンジケード制度やクラブ法人による一口馬主、世界有数のノーザンファーム主催のセレクトセールス等今では目新しくともなんともないことを最前線で取り組みしていました。そのビジネスで得た資金をしっかりと投資していく強かさもあるのが素晴らしいです。企業体としてはビジネスモデルが完成しているのではないかと思います。
話を戻しますが、料理でいうと血統は、素材で、調教や訓練が料理人です。
いくら優れた素材でも、調理する人が3流であればせっかくの素材は台無しです。
ノーザンファームは、世界でも有数の一流の料理人と料理道具を持っていますので、星付きの料理を次から次へと世の中へ出していけるんです。
その施設について、下記に説明していきます。
目次
ノーザンファームの施設
そんなノーザンファームが構築した施設ですが、代表的なものは下記です。
ノーザンファーム
競走馬の生産から育成・調教を行う総合牧場です。
ノーザンファーム空港
育成・調教の専門牧場です。函館や札幌開催のノーザンファーム生産馬はこちらの牧場で仕上げられることが多いです。
ノーザンファーム天栄
坂路コースや、周回コースなどの調教施設を備え、主に関東所属馬を中心に入厩前の調整、リフレッシュ等を行っています。
ノーザンファームしがらき
坂路コースや、周回コースなどの調教施設を備え、主に関西所属馬を中心に入厩前の調整、リフレッシュ等を行っています。
上記の内、ノーザンファームしがらき、天栄の2つを一般的に”外厩”といいます。
では、これらの施設がいかに優れているのかを説明していきます。
ノーザンファームの他牧場と比較した優位点
他牧場の出身馬と比較して、この外厩を使用するとどこまで優位なのかを簡単に要点を整理します。
屋内調教施設
ノーザンファームで生産された馬は、生まれた時から一般的な牧場と比較しても、圧倒的なアドバンテージがあります。
その理由は、生まれてからの鍛え方に差があります。ここでの鍛え方は、”量”によるアドバンテージです。
その鍛え方の優位性を保てているのは、この屋内調教施設に起因します。
あの一流牧場であり、社台グループの原点である社台ファームでさえ、屋外調教施設しか持っていません。
ノーザンファームは、屋内調教施設を持っていますので、生まれてから入厩するまでの間に、雪などで調教が出来ないということがなくなります。
絶対的な調教量を確保できるのは、この屋内調教施設のおかげで、鍛え方が違います。
下記にノーザンファームと社台ファームのホームページで育成期間における施設面での比較していますが、レベルが違うことがわかります。
社台ファームとは、坂路の基本的な長さも異なりますし、屋内と屋外での調教という歴然とした環境の差があります。
一流牧場の社台ファームでさえこの差でありますので、他の牧場との差は、甚大です。
ノーザンファーム空港 | 社台ファーム |
|
屋外直線1000m坂路 屋外1000m周回 屋外600m周回《W》 屋外500m周回《D》 ウォーキングマシン |
外厩
血統は超一流、調教も英才教育。スタートの時点でここまで差をつけることが出来る環境に加えて、
デビューしてからも”外厩”というもので、他の牧場出身馬と比較しても圧倒的に恵まれた環境にあるのがノーザンファーム生産馬です。
そもそも外厩とはどういうシステムなのかを説明します。
まず、大前提の外厩の考え方は、調教師が持てる馬房の数です。JRAから与えられる馬房は、28馬房で最大70頭まで管理できます。
28馬房しかないのに、70頭まで預かれるということは、常に52頭は放牧等でトレセンの馬房外に出して、入れ替えしながらレース出走をする必要があります。
では、馬房から出した後に競争馬が生活する場所は?
パッと思い浮かぶのは、北海道にある生まれた牧場ですね。
ダビスタやウイポス経験者では違和感なくそのように発言されると思います。
しかし、めまぐるしく入れ替えがあるのに一々北海道まで放牧に出しますか?ある程度はコンディションを整えたいというのが本音です。
そこで、クローズアップされたのが、”外厩”制度です。
外厩は、そういう意味では、鍛えるというよりは、現行のJRAのルールでは、預託馬の頭数維持の為に、必要なものとも言えますので、ノーザンファーム以外にも、社台の山元トレセンやJRAが作った吉澤WESTなどがあります。
では、この外厩というものの中でもノーザンファームしがらきとノーザンファーム天栄が注目される理由を説明していきます。
簡単にいうと、坂路の設備が格段に違います。下記にHPの情報をまとめました。
|
信楽 |
天栄 |
栗東 |
美浦 |
距離 |
800m |
950m |
1085m |
1200m |
傾斜 |
4.5% →8% |
4.5% →8% |
2% →4.5% |
0.6% →4.62% |
距離としては、トレセンと比較したら短いですが(それでも運営会社並みの坂路を持つこと自体がすごいですが。)、
坂路の傾斜の角度が段違いです。トレセンでは、東西ですでに圧倒的な差があり、東不利と言われておりますが、
ノーザンファームの外厩は、傾斜の厳しい坂路となっております。最初から坂が厳しく、角度も急な坂道でトレーニングをしているのですから、
鍛え方が違うと言っても異論はないと思います。
このようにノーザンファームの外厩というのは、設備面でも一般的な競争馬が使用する設備よりも素晴らしい設備でトレーニングを積んでいることがわかります。
こうなるとノーザンファーム生産馬を預かる調教師は、レース10日前までに外厩でしっかりと仕上げられた競争馬をさらりと仕上げて、
そしてレースに送り出すというのが馬房に制限がある中では最も効率的な運用となるわけです。
そのため調教師の存在価値とは何なのかという話もありますが、外厩が全てという訳ではなく、間違いなく調教師も優秀なので、外厩では治せない癖や鍛えることが難しい部分を重点的に鍛えることができたりするわけです。そのため、メリハリのつく調教ができるので、腕の見せ所もはっきりと出てくるのではないでしょうか。
外厩で鍛えていた馬を把握する方法
色々な方法があるのかもしれませんが、私は一口馬主の会員の権利を利用して、ホームページを常にチェックし、近況状況を確認しております。
キャロットやシルクなどの馬は、比較的わかりやすいと思います。しかしながら、こちらでの入手の方法は、お金もかかりますし、面倒です。
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オススメ参考図書
このブログはあくまでもWEBサイト内で得られる情報での外厩情報です。
さらに詳細な情報やノーザンファーム以外にも使える外厩情報(例えば吉澤WEST)を知りたい場合は、是非読んでみてください。
あの調教師があの外厩を使っている時の勝率は〜%など詳しいデータモありますし、非常に面白いです。
あのジャスタウェイが開花したのも外厩のおかげだった!?などの裏話もありますので、是非読んでみてくださいね!